岡崎慎司は日本版オリッチだ!


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〜写真で伝える欧州最前線〜

3日のオマーン戦でゴールをマークした岡崎慎司。“アジアの大砲”と呼ばれた高木琢也氏を抜き、日本代表歴代4位となる代表通算28ゴールを記録した。

彼のプレーを見ていると、「うまい」、「かっこいい」というより、「泥臭い」、「ゴールを奪い取る」というイメージが強い。それは、常に自分の持つ力を100パーセント以上出し切っているからではないだろうか。

オマーン戦でレンズからのぞく岡崎は、相手がコントロールしてしまったと思えるボールに食らい付いて五分に持ち込み、最後には自分が相手より先にボールに触ってしまう。守備も手抜きをしないところも含め、彼のプレーはバイエルンのクロアチア代表FWイビチャ・オリッチにそっくりだ。

2009-2010シーズンのチャンピオンズリーグ。バイエルンは準々決勝でマンチェスター・Uと対戦。オリッチはホームの初戦で終了間際に勝ち越しゴールをマークすると、第2戦では貴重なアウェーゴールを奪ってチームを勝利へと導き、決勝へと進む大きなハードルを越えた。ラインを割ったに違いないと誰もがあきらめるシーンでボールに追いつく。相手が油断したところに忍び込む。まさに魂のプレーでオリッチはチームをけん引していたのだ。

オマーン戦でマークした岡崎のゴールは、まさにオリッチを彷彿(ほうふつ)とさせるものだった。前田遼一のシュートが相手に当たってコースが変わったところに岡崎が現れてボールを奪う。シュートは一度相手GKに阻まれたものの、跳ね返ってきたボールを最初に触ったのは、またしても岡崎だった。

所属するシュトゥットガルトで、岡崎は常に全力を出し切るプレーでサポーターの心を掴むばかりか、「プロなら最後まで死に物狂いでやるんだ」というメッセージを自身の背中でチームに伝えている。その姿に他の選手も感化され、チームに全力プレーが染み渡り、今シーズンは6位と躍進。来シーズンはヨーロッパリーグに出場することが決まっている。

来シーズンは欧州カップ戦の舞台で、全力プレーの岡崎が輝くのを見てみたい。


Photo:Kazuhito Yamada/Kaz Photography
岡崎慎司
鋭い反応で五分のボールを奪い取る岡崎慎司

【プロフィール】
山田一仁(やまだ・かずひと)
1957年岐阜生まれ。千葉大学工学部画像工学科を卒業後、1981年から(株)文藝春秋写真部にスタッフカメラマンとして在籍。1989年春に退社し、イギリスに語学留学する。1990年からフリーカメラマンとして活動。2007年に(有)Kaz Photographyを立ち上げる。日本人フリーランスカメラマンとして唯一イングランド・プレミアリーグの撮影ライセンスを所持しており、現在は、年間の半分近くをロンドンを拠点として、主にイングランド・プレミアリーグ、欧州チャンピオンズリーグ、外国リーグで活躍する日本人選手を取材している。

2012.06.07 13:52


岡崎 慎司 プロフィール

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