国内外の権威を撃つ実力派アウトサイダー
今夏、ナポリがここまで資金をプールできたのは、《カバーニ・マネー》の恩恵だけではない。9年前の破産後、3部から再出発したデ・ラウレンティス会長以下の経営陣が、きちんとした収支管理による地道な黒字経営を続けてきたからだ。「闇雲に選手を買い漁って実利なし」といった愚行は、商売人気質の会長が許さない。UEFAのファイナンシャル・フェアプレーの規定基準も悠々とクリアしている。
今やナポリは、ユーヴェの《1強支配》にあらがうだけでなく、インテルに代わってチャンピオンズリーグ(CL)の常連になろうと野心をむき出しにしている。2年ぶりに復帰するCLのひのき舞台に、ナポリは派手な装いを用意した。CL用のサード・ユニフォームは、「カモ・ファイト」と名づけられた前代未聞のミリタリー・カモフラージュ迷彩柄だ。
ユーヴェやミランといったビッグクラブには、こういった冒険は難しい。その点、ナポリにはアウトサイダーとしての自由がある。マラドーナの時代を振り返るまでもなく、権威を撃つ「実力派アウトサイダー」の立場に立った時のナポリは侮れない。
もはや、ナポリを《貧しい南部クラブ》と見なす人間は皆無だ。ベニテスと選手全員がそのポテンシャルを発揮した時、ナポリは恐るべきチームになるだろう。
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