期待の逸材がそろうボルシアMG

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 ブンデスリーガは比較的、サプライズが起きやすいリーグだ。バイエルンとドルトムントを除けば、各クラブの実力にさほど大きな差はなく、何かのきっかけをつかむことで意外なクラブが上位を脅かす。昨シーズンはフライブルクや昇格組のフランクフルトがヨーロッパリーグ出場権を獲得し、その前のシーズンにはボルシアMGが4位に入ってチャンピオンズリーグ(CL)の予選に進んだ。過去5シーズンを振り返れば、ハノーファーやヘルタ・ベルリンといったクラブも5位以内に食い込んでいる。

 では、今シーズン、サプライズを起こしそうなチームはどこだろうか。私が注目するのは昨シーズン8位のボルシアMGと、同11位のヴォルフスブルクだ。

 昨シーズン開幕前、エースのマルコ・ロイスとボランチのロマン・ノイシュテッター、守備の大黒柱ダンチの3人を放出して大ダメージを受けたボルシアMGは、降格すら予想されていた。戦力を考えれば、8位という成績はちょっとした成功と言える。

 その立役者は、リーグ屈指の戦術家ルシアン・ファーブル監督。相手に合わせた計算高い守備と鋭いカウンターが彼の身上だ。この夏はファーブルの《愛弟子》であるブラジル人MFラファエウと、5月にドイツ代表デビューを果たしたアタッカーのマックス・クルーゼを加えて、攻撃のバリエーションも多彩になった。加入2年目を迎えるオランダ代表FWルーク・デ・ヨンクとスイス代表MFグラニット・シャカにも昨シーズン以上の期待が持てるし、GKのマルク・アンドレ・テア・シュテーゲン、DFトニー・ヤンチュケ、MFパトリック・ヘルマンといった生え抜きの若手も順調に経験を積んでいる。しかも、更に次の世代にもMFアミン・ユネス、DFニコ・ブランデンブルガーといった逸材がいる。ユース育成に定評があるチームだけに、まだ《宝石》を隠している可能性もある。

 1970年代に黄金期を経験したボルシアMGは、若く才能溢れる選手をそろえることから「フォウルズ」(子馬)と呼ばれたチームだった。今の若いチームを当時になぞらえるのはオールドファンくらいのものだが、今のボルシアMGに古豪復活を期待できるポテンシャルがあることは確実なように思える。うまく行けば、数年前のドルトムントのように、ブンデスリーガに一大旋風を巻き起こすかもしれない。


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