歴史から読み解くサプライズの条件

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 昇格組ながら旋風を巻き起こすチームの登場は、フットボールを見る上での一つの醍醐味と言える。近年で言えば、まず思い当たるのは2005-06シーズンのウィガンと、06-07シーズンのレディングだ。ウィガンは開幕戦で前年王者チェルシーをギリギリまで追いつめてジョゼ・モウリーニョ監督に「どちらが王者か分からなかった」と言わしめ、最終的にリーグ10位、リーグカップ準優勝という成果を上げた。翌年のレディングも、チャンピオンシップ(2部)優勝の勢いそのままに8位と大健闘し、《ミラクル・レディング》と呼ばれた。両チームとも初昇格で、開幕前の下馬評では降格候補に挙げられていたが、戦力不足をハードワークでカバーし、技術よりもハートで魅せるという共通点を持っていた。他にも、ロリー・デラップのロングスローと脅威のパワープレーで世界中を驚かせた08-09シーズンのストークや、鮮やかなパスサッカーで話題をさらった11-12シーズンのスウォンジーなど、明確なビジョンを持ってプレミアに参入し、成功を収めたクラブは数多い。特にスウォンジーは、下部時代からロベルト・マルティネスとブレンダン・ロジャーズという2人の才能ある指揮官にチーム作りを託し、彼らが磨いてきたものがトップリーグの舞台で実ったという最高の成功例だろう。この2人が、今やエヴァートンとリヴァプールの監督を務めているのも、決して偶然ではないはずだ。

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