守備面で際立つX・アロンソの重要性

 中盤に関しては、今大会はシャビ・アロンソが欠場したため、セルヒオ・ブスケがアンカーに入り、チャビとアンドレス・イニエスタかファブレガスがトップ下に入る完全な《バルサ・スタイル》だった。初戦のウルグアイ戦ではバルサを彷彿とさせるパスワークを披露したが、ブラジルとの決勝ではこの布陣が完全に裏目に出た。チャビとイニエスタはボールを持って敵陣に入った瞬間から猛烈なプレスを掛けられ、自由なプレーが許されない。そしてボールを奪われて速攻を仕掛けられると、ブスケ1人では十分なフィルター機能を果たすことができなかった。

 チャビとイニエスタを封じることで、チーム全体を抑える。これは昨シーズンのチャンピオンズリーグでバイエルンがバルサ相手に実践した戦術であり、今のスペインを倒すには、恐らくこの方法が最も効果的だ。今回のコンフェデ杯では、この2人が執拗なマークに遭った時にその後方をフォローし、なおかつ《3人目の司令塔》としても機能できるX・アロンソの重要性が改めて浮き彫りになったと言える。これまでスペイン国内では批判されることの多かったブスケとX・アロンソのダブルボランチは、今後も継続されていくだろう。

 攻撃力ばかりがクローズアップされるスペイン代表だが、タイトルを手にした3大会の戦績を振り返ると、敗北が許されない決勝トーナメント突入以降は、全試合で失点をゼロに抑える堅牢ぶりを見せている。ブラジルはパウリーニョとルイス・グスターヴォのコンビがチャビとイニエスタを食い止めた。この事実が、ダブルボランチの有効性を何より物語っている。



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