プランBを確立させ再び絶対王者へ
現在のスペイン代表はバルサの選手と戦術をベースにしている。今までは《バルサ一辺倒》で通用してきたが、バルサがバイエルンに、そしてスペインがブラジルに大敗を喫したことからも分かるように、バルサスタイルはもはや《絶対》ではない。封じられた時に素早く切り替えられるプランBを準備しておかなければならない。様々な考え方がある中で、最も現実的で素早く習得できるのは、バルサスタルの対極とも言えるレアル・マドリースタイルだ。
華麗なサッカーが理想とされるマドリーだが、近年は直線的にゴールを目指すダイレクトサッカーを実践してきた。ダイナミックにボールを展開し、縦へのスピードを生かして一気にゴールを陥れるスタイルは、愚直にショートパスをつなぐバルサの方法論とは対照的であり、これをスペイン代表に当てはめた場合、X・アロンソがそのまま司令塔役を、ヘスス・ナバスやフアン・マタがクリスチアーノ・ロナウドやアンヘル・ディ・マリアの役割を果たすことができる。トーレスやビージャも本来はハイテンポなプレーの中で持ち味を発揮できる選手であり、ジョレンテやネグレドの高さ、強さを生かすこともできる。サイドエリアを有効活用し、縦への鋭い突破からクロスを放り込むのは、本来スペインが得意とするスタイルだったはずだ。
南アフリカW杯やユーロ2012の頃、スペインの強さは絶頂に達し、それ以上成長する余地のないレベルにあった。どんなチームと対戦しても自分たちのスタイルを貫き通せる絶対的な力強さが当時にはあった。しかしその後、スペインに対する研究は進み、今回のコンフェデ杯でブラジルに完敗を喫したことにより、更なる改善、成長の余地が生まれたことになる。今後の努力次第で、スペインはもっともっと強くなれる。突きつけられた課題を完全に克服した時、スペインは再び《絶対王者》として世界に君臨することになるだろう。
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