惨敗劇を招いたFAの体たらく
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若きｲﾝｸﾞﾗﾝﾄﾞ代表はこの夏､2つの国際大会に出場した｡ｲｽﾗｴﾙで行われたU-21欧州選手権と､ﾄﾙｺで行われたU-20ﾜｰﾙﾄﾞｶｯﾌﾟ(W杯)だ｡結果はいずれもｸﾞﾙｰﾌﾟﾘｰｸﾞ敗退｡しかも､前者は3連敗､後者は2分け1敗と､1つも白星を挙げられなかった｡もっとも､これが｢驚きの結果｣だったかと言えば､残念ながらそうではない｡なぜなら､ｲﾝｸﾞﾗﾝﾄﾞは2011年の同じ大会でも1勝も挙げられなかったのだから｡若い世代が世界で勝てないことは｢育成危機｣を意味し､国内では議論の的となっている｡
先に補足しておくと､今回のU-21ｲﾝｸﾞﾗﾝﾄﾞ代表には､出場資格(本大会には23歳まで出場可能)を持ったｽﾀｰ選手が不在だった｡ｼﾞｬｯｸ･ｳｨﾙｼｬｰとｶｲﾙ･ｳｫｰｶｰは負傷｡ｱﾚｯｸｽ･ﾁｪﾝﾊﾞﾚﾝ､ﾀﾞﾆｰ･ｳｪﾙﾍﾞｯｸ､ﾌｨﾙ･ｼﾞｮｰﾝｽﾞといった面々はﾌﾙ代表に招集されていた｡ｳｨﾙｼｬｰとｳｫｰｶｰも､万全ならﾌﾙ代表に参加していたはずだ｡同じ理由でU-20代表は､U-21代表に呼ばれたGKｼﾞｬｯｸ･ﾊﾞﾄﾗﾝﾄﾞやFWｺﾅｰ･ｳｨｯｶﾑらを欠いていた｡両ﾁｰﾑとも､ﾍﾞｽﾄﾒﾝﾊﾞｰには程遠かったわけだ｡
だからといって今回の惨敗劇が許されるわけではないが､｢負けるべくして負けた｣と言えるほど多くの要因があったことも確かだ｡例えばFAは｢《ﾔﾝｸﾞ･ﾗｲｵﾝｽﾞ》に求めるもの｣を明確にしなかった｡もし｢勝利｣を求めていたなら､ﾁｪﾝﾊﾞﾚﾝやｼﾞｮｰﾝｽﾞといった選手をU-21代表に加えられるように調整するべきだった｡一方､若手選手にﾌﾙ代表を｢経験｣させたかったのなら､大会での｢勝利｣が難しくなるのだから､U-21代表のｽﾁｭﾜｰﾄ･ﾋﾟｱｰｽ監督を納得させた上で､別の目標を明示すべきだった｡
しかし､ﾋﾟｱｰｽが大会中にFAへの不満を口にしたことは､十分な話し合いが行われなかったことを示唆している｡同じような問題を抱えながら準優勝を成し遂げたｲﾀﾘｱのﾃﾞｳﾞｨｽ･ﾏﾝｼﾞｬ監督が､ﾌﾙ代表からMFﾏﾙｺ･ｳﾞｪﾗｯﾃｨを｢譲ってもらった｣ことへの感謝を述べていたのとは､実に対照的だった｡つまり､FAが方向性を示さなかったことが惨敗劇を招き､代表強化の妨げになってしまったのだ｡
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