才能の宝庫シャルケの伸びしろ
では、ドルトムントに続きバイエルンを追うのはどのチームになるのか。私はシャルケの名前を挙げたい。彼らは55年間も優勝から遠ざかり、
リーグの勝ち方を忘れているし、財政危機のため大型補強も望めない。しかし、持っている駒を最大限に生かせば、サプライズを起こせるのではないだろうか。
現在のシャルケは才能の宝庫だ。ユリアン・ドラクスラーを筆頭に、ラウール・ゴンサレスの背番号7を引き継いだ17歳のマックス・マイアー、アーセナルが触手を伸ばすほど高い評価を得ている18歳のレオン・ゴレツカといった有望株がいる。
クラース・ヤン・フンテラール頼みの前線も、マインツからアダム・サライを獲得したことで問題は緩和されている。若い選手たちの成長によって攻撃のバリエーションが増加すれば、シャルケはバイエルンの脅威となるだろう。
シャルケに続くのがレヴァークーゼンと考えられるが、彼らにとってタイトル争いはやや重荷かもしれない。今夏はアンドレ・シュールレをチェルシーに奪われ、昨シーズンのリーグ最優秀右サイドバックのダニエル・カルバハルもレアル・マドリーに戻っていった。新戦力のソン・フンミンやジュリオ・ドナーティはまずまずの好素材だが、前任者の穴を埋めたとは到底言えない。よほどの幸運がない限り、タイトルレースに絡むことは難しいだろう。近年では欧州の舞台でもベスト8以上に進めていない。残念ながら、それが今の彼らの限界点かもしれない。
バイエルンを追う第2集団の後ろには豊富な資金を持つヴォルフスブルク、斬新なアイデアで高い評価を受けるトーマス・トゥヘル監督率いるマインツ、バイエルンと相性の良いボルシアMGといったチームがつける。もっとも、彼らが勢いづいたとしても実力差のあるバイエルンを打ち負かすのは難しい。
繰り返すが、バイエルンに待ったを掛けるとすればドルトムントだ。王者が少しでも隙を見せれば、クロップの手腕と若手の活力によってドルトムントが飛躍を遂げるだろう。1年後、再びシグナル・イドゥーナのピッチを感極まったファンが埋め尽くす│。そんな未来が訪れても、何ら不思議ではない。
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