俺の心がチェルシーとともにあるのはみんな知っていた

▼2年前にチェルシーを退団したけど、中国とトルコを経て、「心のクラブ」に戻ることになった。チェルシーの一員としてシーズン開幕を迎えた今の気分はどう?

ドログバ(以下D)──最高の気分だ。世界最高のサポーターの前でまたプレーできることに感激しているよ。

▼チェルシーを退団してからの2年間、外からこのクラブを眺める気分はどうだった?

D──ガラタサライではファンにすごく良くしてもらったし、トルコリーグでのプレーも楽しむことができた。だから彼らに失礼になることを言いたくはない。でも、俺の心がチェルシーとともにあるのはみんな知っていた。そのチェルシーを外から見るのは確かに変な気分だったよ。チェルシーの結果はほぼ毎試合リアルタイムでチェックしていたし、たくさんの仲間とずっと連絡を取り合っていて、クラブ内で何が起こっているかも確認していたよ。

▼ここで改めて、2年前のチェルシー退団の理由を説明してもらえるかな。

D──そういうタイミングだと思ったのさ。俺にとってチェルシーがどれほどの存在かは分かっているだろう? だから退団を決めるのは簡単じゃなかった。特にチャンピオンズリーグで優勝を決めた、まさに絶頂のタイミングだったしね。でも、あの時はあのチャンピオンズリーグ決勝が俺にとってチェルシーでの最後の試合だと感じたのさ。

▼これまでのチェルシーのキャリアを振り返ると、一番の思い出はやはりチャンピオンズリーグ制覇なんだろうか?

D──チェルシーはあのトロフィーを手にするために長く尽力してきた。だから、特別な瞬間だったのは間違いない。このクラブのオーナーやファンは、ヨーロッパの頂点に立つべき人たちなんだ。でも個人的には、初めてプレミアリーグを制した2005年のタイトルも忘れられない。いや、それだけじゃなく、すべてのトロフィーが忘れられないよ。そして、これからもそういう思い出を増やしていくつもりなんだ。

▼では、チェルシーでの自身のベストゴールを挙げるなら?

D── 誇らしく思えるゴールを数多く決めてきたつもりだ。俺からすると、ベストゴールとは勝利をもたらす得点やタイトルをもたらすゴールのことなんだ。だからどんな形で決まろうが関係ないよ。いや、誰が決めたって関係ないとさえ思っている。俺からするとすべてのゴールが美しいんだ。

▼チェルシー復帰は難しい決断だった?

D──迷いは全くなかった。簡単な決断だったと言えるね。ジョゼが、そしてチェルシーが誘ってくれたら、ノーとは言えない。復帰の打診を受けた時点で、俺の答えは決まっていたんだ。

▼ジョゼとは直接話した?

D──もちろんさ。彼は、クラブの歴史の一部である選手は、いつかそのクラブに戻るべきだと言ってくれた。「だから君もチェルシーに戻れ」とね。俺もそれに同意した。俺はここで8年間も素晴らしい時間を過ごしたし、退団した後も自分はずっとチェルシーの一員だと心から思っていたからね。

▼これまでの君のキャリアにおいて、モウリーニョはどんな存在なのかな?

D── 俺にプレミアリーグでプレーするチャンスをくれた監督だ。そして一緒に多くの勝利を、多くのトロフィーを手にしてきた仲間だ。俺だけが特別なわけではない。彼は最初のシーズンにいたすべての選手と特別な絆で結ばれていたんだ。常に勝利を目指すことで心の絆のようなものを育んだのさ。

▼では、今シーズンの新生チェルシーにどのような形で貢献したいと思っている?

D──俺ができる一番の貢献は、俺が前に所属していた8年間と同じであることさ。俺は自分を変えるつもりはない。みんな俺の性格やサッカーと向き合う姿勢を知っているはずだ。みんなの知っているドログバであるつもりだよ。俺はみんなと楽しく過ごそうと思って戻って来たわけじゃない。俺は勝ちたいからここにいる。そして勝利への情熱をみんなと共有したいんだ。確かにこのチームには才能がある。でも最高を目指すのなら、自分を追い込む必要があると思うんだ。

▼プレシーズンにケガをした時は驚いたけど、無事だったようだね。

D──そうなんだ。大したことないケガだったよ。軽い手当てで済んだからね。とにかく、再びこのユニフォームを着たときは感激したのさ。

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