6回目のW杯出場?あるかもしれない
昨季は自身7度目のスクデットを獲得。36歳になってもそのパフォーマンスには全く陰りが見られない
▼ユーロ2012の準々決勝の時、PK戦前のコイントスでイングランド代表のスティーヴン・ジェラードの頬を軽く叩いていましたよね。あの時は全く緊張していなかったの? それとも相手を揺さぶるための心理戦?
ティム・ブラッドリー(Eメール)
B──緊張していたよ。PK戦になって緊張しないGKなんていない。だって考えてもみてよ。PK戦の勝率は50パーセントだ。負ける可能性が50パーセントもあるんだ。でも、世界にはPK戦で必ず1本か2本はシュートを止められるGKがほんの一握りだけいる。俺もそのうちの一人だ。とはいえ、止められなかったらメディアは俺のことを厳しく責めるだろう。だから、PK戦の前に緊張しないなんてことはない。
▼ユーロ2012の決勝でスペインに敗れた後、マリオ・バロテッリがユヴェントスの選手たちを責めて、怒ったあなたと取っ組み合いの喧嘩になったというのは本当? その喧嘩はどっちが勝ったの?
トレヴァー・ジェンキンス(Eメール)
B──バロテッリがどうしたって? 喧嘩? その話はデタラメだよ(笑)。大体、バロテッリがそんなことを言うわけがないだろ。あのチームにはユーヴェの選手が6人もいたんだから(笑)。
▼あなたほど国歌を情熱的に歌うサッカー選手は見たことがない。歌っている時に目をつぶっているけど、あの瞬間は何を考えているの? カラオケも大好き?
ルーカ・アントノーリ(Eメール)
B──俺はイタリア人でいられることを名誉だと思っている。そして、イタリア代表としてあの場に立てることをすごく幸運だと思っているんだ。カラオケは好きだけど、どんな曲かによるね。
▼歴代のチームメートで一番面白いのは誰ですか? 僕はジェンナーロ・ガットゥーゾだと思うんですが。
ブライアン・ヘンダーソン(Eメール)
B──確かにリーノ(ガットゥーゾの愛称)だね。俺たちは今も仲がいい。彼はいつも笑わせてくれるよ。
▼自分に合った用具を使うことはGKにとって大切なことですよね。いつも半袖のシャツを着ている理由は?
スティーヴ・メイソン(Facebook)
B──どうしてなのかは自分でも分からないけど、ずっと前から半袖だった。GKを始めた時からだ。半袖がしっくりきたんだよ。まあ、今は半袖を着ているGKがたくさんいる。俺が流行らせたようなものだよ(笑)。
▼サッカー選手になっていなかったら何をしていた?
H・シウヴァ(ツイッター)
B──分からないな。子供の頃からサッカー選手になりたいと思っていたし、その夢が「実現しないかもしれない」と考えたことはなかったからね。他のことをやろうなんて、考えたことすらない。
▼以前のインタビューで「観客を楽しませること、スペクタクルなプレーをすることを楽しんでいる」と話していたけど、これだけ多くのお金が絡んでいる今も、フットボールはそういう部分に価値を見いだすべきだと思う?
セブ・ムーア(Eメール)
B── もちろんだ。お金を理由にそういうことを疎かにしてはいけない。ただし、ビッグクラブでプレーしているとまず勝つことを求められるし、プレーを楽しむとか、観客を喜ばせたいという考え方がどんどん重要ではなくなってきているのも事実だ。唯一の目的は対戦相手を倒すこと。プレーを楽しむとか、そんなことばかり言っていられないのが現状だよ。
▼ジジ、あなたは若い頃のアル・パチーノに似ているよね。本人に会ったことはある? パチーノ主演で一番好きな映画は?
ニール・ヘンドン(Eメール)
B──(うれしそうに)誰? アル・パチーノ? 本当に?全然似てないと思うけど。会ったことはないな。彼の映画で最も気に入っているのは『スカーフェイス』だ。
▼最近、イタリアのクラブがチャンピオンズリーグ(CL)で苦戦を強いられているのはなぜだろう? セリエAはリーガやプレミアリーグと比べて劣っているのかな?
ジャン・フェアレス(Eメール)
B──確かにそうだね。それは事実だよ。イタリアは経済的に厳しい状況にあって、サッカー界も同じように苦しんでいる。10年前や20年前にあったお金がない。俺たちが後れを取っていることは認めるよ。でも、ユーヴェは一昨シーズンのCLでいいところまでいった。こういうことにはサイクルがあるし、セリエAが以前のように強くなる日は必ず来ると思う。
▼GKの寿命は長いと言われるけど、何歳頃がピーク? あとどれぐらい現役を続けるつもり? イタリア代表で150試合出場を目指す?
レニー・グットホール(Eメール)
B── 28歳から30歳ぐらいまではフィジカルも充実しているし、俊敏に動ける。でもその後はそういう能力が少しずつ変わっていくんだ。でも、それと入れ替わるように経験がモノを言い始める。重要な試合への入り方とか、そういうものは経験からしか学べないからね。だから、年齢的なピークがどの時期にあるのかは断言できない。身体的な要素、経験値、それぞれが重要だからね。でも、良いGKというのは何歳になっても進歩するものだ。ぜひ、150試合出場を達成したいね。
▼この10年程は、あなたとイケル・カシージャスが世界で最も優れたGKでした。これからナンバーワンになるGKは誰だと思いますか?
ペンネーム(ツイッター)
B──ジョー・ハートだ。彼はまだ若いし、素晴らしいGKになると思う。他の若い選手では、ベルギー代表のティボー・クルトワが好きだな。
▼プロ選手を目指す若いGKにアドバイスをお願いします。
JD・レッドワイン(ツイッター)
B── アドバイス? まずはポジションを考え直したほうがいい(笑)。冗談で言ってるんじゃない。真面目に言ってるんだ。ストライカーを選ぶべきだよ。まあ、それでもGKになりたいというなら、マゾヒストにならないといけないし、ちょっとひねくれ者のほうがいい。考えてもみてよ。みんなが足を使ってプレーしているのに、自分だけは手を使うと言うんだからね。
▼ブラジル大会で5度目のW杯出場を果たしましたが、2018年のロシア大会で6度目を目指しますか?
ハッサン・アサド(Eメール)
B──6回目もあるかもしれない(笑)。今のところはまだ本気で考えてないけど、さあ、どうなるかな。
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ジャンルイージ・ブッフォン
○生年月日:1978年1月28日
○出身地:カッラーラ
○ポジション:GK
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○クラブキャリア(リーグ成績)
1995-2001 パルマ 168試合・ 0得点
2001-現在 ユヴェントス 390試合・ 0得点
○代表キャリア
1997-現在 イタリア代表 142試合・ 0得点
○獲得タイトル(チーム)
セリエA 01-02、02-03、04-05*、05-06*、
11-12、12-13、13-14
*カルチョスキャンダルにより取り消し
コッパイタリア 98-99
UEFAカップ 98-99
ワールドカップ 2006
U-21欧州選手権 1996
○獲得タイトル(個人)
ヨーロッパ最優秀GK 2003
W杯ゴールデングロープ(ヤシン賞) 2006
セリエA年間最優秀GK 98-99、00-01、01-02、02-03、
04-05、05-06、07-08、11-12
※データは2014年8月5日現在
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インタビュー・文=マット・バーカー Interview and text by Matt BARKER
写真=クリス・ローレンス Photo by Chris LAWRENCE
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